喉が痛いけど咳が出ない時に考えられる原因と対策

  • 2024年8月9日
  • 2024年10月8日

咳が出ないのに喉が痛む原因

喉が痛む一方で咳が出ないといった経験がある方も多いと思います。

咳が出ない咽頭痛の原因として、ご時世的に感染症は無視できません。咽頭痛を起こす感染症は大きく細菌によるものとウイルスによるものがあります。ウイルス(コロナウイルスやインフルエンザウイルスなど)によるものは全身性の症状を引き起こしやすいと言われています。全身の倦怠感や関節痛、鼻汁や咳、痰、時には下痢など症状が多彩です。一方で、細菌(溶連菌など)によるものは感染した臓器に特徴的な症状が出ます。つまり、咳が出ない咽頭痛は感染であればウイルスよりも細菌によるものの可能性が高いのです。

感染症と一口にいっても程度は様々です。症状が軽い咽頭炎で済む場合もあれば、緊急での対応が必要になる扁桃周囲膿瘍や急性喉頭蓋炎といった病気もあります。

また、感染以外にも喉が痛くなることがあります。空調などによる喉の乾燥や、喉の酷使による痛みは健康上大きな問題はないでしょう。しかし、咳を伴わない咽頭痛を起こす疾患の中にはアレルギーや胃食道逆流症のように生活の質(Quality of Life)に大きく影響を与えるもの、自己免疫性疾患やがん、心筋梗塞のように重篤になりうるものもあります。単に「咳が出なくて喉が痛いだけ」と甘く見てはいけない場合もあるのです。

喉が痛い時の対処法

咳が出ずに喉が痛い場合は、少しでも症状を改善させる対策をとりたいものです。最も簡単にできることは喉を安静にして、喉にとってよい環境を作ることです。

マスクをつける、加湿器などで部屋の湿度を上げるなどの保湿は喉にとって良いことです。タバコやアルコール、スパイスといった刺激物を避け、できるだけ大きな声を出さずに生活するのも良いでしょう。

市販薬などによるサポートも咽頭痛には有効です。アセトアミノフェンやイブプロフェンなどの解熱鎮痛薬の内服は早い効果が期待できます。トラネキサム酸や桔梗湯、トローチなど咽頭痛によく効く薬もあります。営業時間外でドラッグストアに行けないときは、のど飴やはちみつを試すのもよいでしょう。

細菌感染に用いられる抗菌薬はドラッグストアには販売していません。細菌感染に対する誤った治療は症状を長引かせる可能性もあるので、余っていた抗菌薬を自己判断で飲むのはやめましょう。

医師の診察を受ける目安

咳が出ない咽頭痛で医師の診察を受ける目安は、症状が強い場合と期間が長い場合です。

症状としては、痛みにより唾液や飲み物を飲むことができない、呼吸が苦しく感じる、喉元でヒューヒューと音がする場合には扁桃周囲膿瘍や急性喉頭蓋炎といった、早期の処置が求められる病気の可能性があるので、急いで受診をしましょう。市販薬で改善しない場合や倦怠感が強く動くに動けない場合も病院を受診してよいでしょう。

一般的な感染症(いわゆる風邪)は2~3日でピークを超えて、持続するのは長くても1週間程度と言われています。特に2週間を超えるとなると感染症でも治療が必要だったり、感染症ではない咽頭痛の可能性が出てきたりします。長く続く場合は、自然に軽快しない可能性もあり、正しい診断と治療が必要になります。

受診する場合は内科もしくは耳鼻咽喉科をおすすめします。呼吸が苦しい、息がうまく吸えないなどの状況で夜間であれば救急病院を受診しましょう。症状の強さによっては救急要請も検討しましょう。

さいごに

この記事では喉が痛いにも関わらず、咳が出ないことの原因と対策について解説しました。代表的な原因は感染症であり、細菌感染では喉に絞って症状が出やすいのに対し、ウイルス感染では咳も伴いやすいです。しかし、どちらによる感染かを区別するのは難しい場合も多く、そもそも感染ではない原因も多くあります。いつまで経っても改善しない、呼吸困難があるなどの症状があれば早めの受診を検討しましょう。