のどの痛みの原因、考えられるのはどんなもの?
のどの痛みの原因として、以下のものが考えられます。
咽頭炎、扁桃炎などの感染症
細菌、ウイルスが原因でのどに炎症がおき、痛みが生じます。 症状が悪化すると発熱や強い痛み、息苦しさが生じるため注意が必要です。
胃食道逆流症
胃食道逆流症とは胃酸が胃から食道に逆流する病気であり、胸やけ、胸痛、げっぷ、口の中に苦味や酸味を感じるなどの症状が起きます。 胃食道逆流症が原因でのどに炎症が起き、痛みや違和感を感じることがあります。
乾燥、花粉、ほこり、タバコの煙などの刺激
乾燥はのどの粘膜の防御機構を弱め、炎症が起きやすくなります。花粉、ほこり、タバコの煙は粘膜を刺激して炎症の原因となります。 また、花粉やほこりはアレルギー反応を介してのどの痛みや不快感を生じることがあります。
咽喉頭異常感症(ヒステリー球)
粘膜に異常がないにも関わらず、のどの痛み、違和感、不快感を感じる病気です。 ストレスや緊張が原因と考えられています。
声の出し過ぎ
カラオケで長時間歌ったり、仕事で長時間しゃべることでのどの粘膜が傷つき、痛みが起きることがあります。
他にも、咽頭がん、甲状腺疾患、リンパ節炎など、様々な病気が原因でのどの痛みが生じます。 のどが痛む原因が思い当たらない、強い痛み、長引く痛みなどの場合は、病院を受診しましょう。
のどが痛い時に内科に行くとどんな治療が受けられる?
のどが痛む原因によって治療方法は異なります。
病気別に主な治療方法をご紹介します。
ウイルス性上気道炎(のど風邪)
主な治療は鎮痛薬(痛み止め)、トローチ、うがい薬、漢方などの薬剤を用いた対症療法です。
よく処方される鎮痛薬には、カロナール、ロキソニンなどがあります。ロキソニンは痛みを抑えるだけではなく、のどの炎症を鎮める作用もあります。
トローチやうがい薬にはのどの痛みを和らげる効果があります。飲み薬と異なり、のどの粘膜に対して直接作用します。
のどの痛みが強い咽頭炎に対しては、漢方薬の桔梗湯が有効です。薬剤をぬるま湯、または水に溶かして、のどでうがいをした後にそのまま飲み込むと効果的です。
抗菌薬(抗生物質)はウイルス性上気道炎に対して効果がありません。
細菌性咽頭炎、細菌性扁桃炎
サワシリン、フロモックス、クラリスなどの抗菌薬が処方されることが多いです。
細菌性の場合は悪化してしまうと重症になることがあります。扁桃のまわりに細菌が膿をつくってしまう扁桃周囲膿瘍や、のどの喉頭蓋という部位が腫れ上がる急性喉頭蓋炎の場合、空気の通り道が塞がれて窒息してしまう可能性があります。
激しいのどの痛み、高熱、息苦しさなどの症状がある場合は、早めに病院を受診しましょう。
胃食道逆流症
胃酸分泌を抑える薬剤で治療します。
食べたあとにすぐに横にならない、アルコール・炭酸飲料・脂っこいものを控えるということも重要です。
繰り返し痛くなる、痛みが長引く場合、自宅で対処する方法はある?
病気によっては、のどの痛みが改善するまでに時間がかかります。
自宅でもできる、のどの痛みへの対処方法をご紹介します。
うがい
のどに付着した細菌やウイルスを洗い流し、粘膜にうるおいを与えることで免疫防御機構を活性化させます。
加湿
特に乾燥する冬の時期は、室内の湿度を上げることが大切です。
のどの乾燥を予防するとともに、空気中の細菌やウイルスが浮遊しにくくなる効果があります。
十分な睡眠
睡眠不足、疲労は感染症に対する抵抗力を低下させ、症状を悪化させます。
のどが痛むときは、十分な睡眠をとるようにしましょう。
バランスのよい食事
偏った食生活や暴飲暴食は免疫力をさげ、回復を遅らせます。
規則正しい食生活、バランスのよい食事をこころがけましょう。
さいごに
感染症によるのどの痛みは適切な治療をすることで改善します。
しかし、薬を飲んでものどの痛みがなかなか治らない場合や、のどの痛みを繰り返す場合は、偏った食生活、睡眠不足、ストレス、疲労、飲酒や喫煙習慣など、何か痛みの原因となる生活習慣があるかもしれません。
十分な睡眠、規則正しい食生活、バランスの良い食事、適度な運動を心がけることで、免疫を活性化させて体の治癒力を高めることが重要です。