健康診断でわかること!がんも見つかる?主要7検査と結果の見方

健康診断の検査項目とは

健康診断の各検査項目によって、自覚症状のない病気のリスクや体の異常がわかります。

受けて終わりにするのではなく、結果から自分の体の状態を正しく理解することが大切です。

ここでは、特に知っておきたい7つの検査項目で何がわかるのかを解説します。

身体測定でわかること

身長と体重から計算するBMI(体格指数)は、肥満度を知るための指標です。

数値が「25」を超えると肥満とされ、生活習慣病のリスクが高まります。

また、腹囲からは内臓脂肪の蓄積がわかり、生活習慣を見直すための基本的な指標となります。

血圧測定でわかること

高血圧や低血圧を調べる検査です。

高血圧は自覚症状がないまま血管に負担をかけ動脈硬化を進行させるため、「サイレントキラー」とも呼ばれています。

放置すると脳卒中や心筋梗塞に繋がるため、定期的なチェックが非常に重要です。

血液検査でわかること

採血によって体の内部の状態を詳しく調べられます。 特に生活習慣と関わりが深いのが以下の項目です。

脂質(コレステロール・中性脂肪)

血液中の脂質のバランスから動脈硬化のリスクを評価します。

LDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪が多すぎる状態は要注意です。

血糖(HbA1c)

過去1〜2か月の平均血糖値を反映するHbA1cは、糖尿病のリスクを判断する重要な手がかりとなります。

肝機能(AST, ALT, γ-GTP)

「沈黙の臓器」肝臓のダメージ具合を示します。

AST、ALT、γ-GTPの値から、脂肪肝などのサインを早期にキャッチできます。

尿検査でわかること

泌尿器系の健康状態や糖尿病をチェックします。

タンパク質が漏れる「尿蛋白」は腎機能低下、「尿潜血」は泌尿器系の炎症やがんの疑い、尿に糖が出る「尿糖」は糖尿病のサインであり、体に負担なく異常を発見できます。

便検査でわかること

便に血液が混じっていないかを調べます。

目に見えない微量の出血も検知できるため、特に大腸がんの早期発見に非常に有効な検査です。

胸部X線検査でわかること

X線で肺や心臓の影を撮影する検査です。

肺がんや結核、肺炎のほか、心臓の大きさの異常(心肥大)など、呼吸器や循環器の病気を発見する手がかりになります。

心電図検査でわかること

心臓の電気的な活動を記録し、不整脈や狭心症、心筋梗塞といった心疾患の兆候を見つけます。

自覚症状がなくても異常が見つかる場合があるため、非常に重要な検査です。

健康診断を受けるメリット

健康診断を受ける最大のメリットは、自覚症状のない病気のサインを早期に発見できることです。高血圧や糖尿病といった生活習慣病は、静かに進行し、気づいた時には深刻な事態になっているケースも少なくありません。また、健康診断は自身の生活習慣を見直す絶好の機会にもなります。

例えば、昨年の結果と比較して「体重が増えた」「コレステロール値が上がった」といった客観的な事実を知ることで、食生活や運動習慣を改善する具体的な目標を立てやすくなるでしょう。病気を未然に防ぐことは、将来の医療費だけでなく、治療にかかる時間や心身の負担を減らすことにも繋がります。定期的な受診で、健康という大切な資産を守りましょう。

結果の見方について

健康診断の結果を受け取ったら、まずは総合判定の「判定区分」を確認してください。各検査項目の専門的な数値の意味がよくわからなくても、A・B・Cといった記号が、今の健康状態と次に取るべき行動を端的に示しています。

健診機関によって表現は異なりますが、一般的に「A判定」は異常なしの状態です。「B判定」は軽度の異常で、生活習慣を見直し始める良いきっかけとなります。「C判定」は要再検査・生活改善で、「異常の疑いがあるため、詳しく調べましょう」と教えてくれています。「D判定」は要精密検査・治療が必要な段階なので、速やかに専門の医師を受診してください。「E判定」は治療中です。

特に「C」や「D」の判定は、体からの重要な警告サインです。結果を放置せず、必ず指示に従って行動に移すことが、自分の未来の健康を守る上で何よりも大切になります。

さいごに

健康診断は、自分では気づけない体のサインを見つけ、生活習慣を振り返るための貴重な機会です。結果を放置せず、次の一歩を踏み出すことが重要。年に一度の受診を習慣にし、ご自身の健康管理に役立てていきましょう。