母乳を作るために必要な栄養素
母乳を作るには、栄養バランスの良い食事が大切です。特に、タンパク質・鉄分・カルシウム・DHA・ビタミンをしっかり摂ることで、赤ちゃんに必要な栄養を届けられます。
母乳はお母さんの体から作られます。そのため、お母さんが摂る栄養が足りていないと、母乳の出が悪くなったり、質が落ちたりすることがあります。
授乳中は体力を消耗しやすく、疲れやすいのでしっかり食べて、自分の体も大切にしましょう。
タンパク質
母乳の主要成分であり、赤ちゃんの成長やお母さんの体の回復に不可欠です。
鉄分
貧血を防ぎ、母乳の質を維持するために必要です。授乳中の1日の推奨摂取量は8.5〜9gです。
カルシウム
赤ちゃんの骨や歯の発育に必要な栄養素です。
DHA
赤ちゃんの脳や神経の発達に必要な成分です。
ビタミン
ビタミンB群やビタミンCは、エネルギー代謝を助け、免疫力を維持する働きがあります。
母乳を作るには、栄養を意識した食事が大切です。無理のない範囲で、バランスの良い食事を心がけましょう。
母乳の出を良くするおすすめの食べ物
母乳の出を良くするおすすめのメニューを紹介していきます。
タンパク質を多く含む食べ物
タンパク質は、鶏肉や魚、豆腐や納豆などの大豆製品に多く含まれています。
鶏肉
焼き鳥、蒸し鶏、鶏ハム
魚
焼き魚、刺し身、ツナ缶、鮭のホイル焼き
卵
ゆで卵、卵焼き、茶碗蒸し、オムレツ
大豆製品
納豆、豆腐、豆乳、厚揚げ
鉄分を多く含む食べ物
鉄分はお母さんと赤ちゃんの貧血予防に大切な栄養素です。
レバー
レバニラ炒め、レバーと大根の煮物、レバーの香味揚げ
赤身肉
牛肉赤身ステーキ、豚ヒレカツ、ローストビーフ
ひじき
ひじきの煮物、ひじきご飯
ほうれん草
お浸し、ナムル、味噌汁、胡麻和え
カルシウムを多く含む食べ物
カルシウムはビタミンD(鮭・キノコ類・卵)と一緒に摂ると吸収率がアップします。牛乳と焼き鮭の組み合わせや、チーズとキノコのソテーなど、工夫して摂取しましょう。
乳製品
牛乳、チーズ、ヨーグルト
小魚
焼きししゃも、ししゃもの南蛮漬け、じゃこサラダ、じゃこふりかけ、煮干し
葉物野菜
小松菜の味噌汁、モロヘイヤのお浸し
海藻類
わかめの味噌汁、わかめの酢の物、ひじきの煮物
DHAを多く含む食べ物
DHA(ドコサヘキサエン酸)は、赤ちゃんの脳や神経の発達をサポートする重要な栄養素です。DHAは揚げ物にすると減少しやすいので、焼き魚や煮魚が良いでしょう。
青魚
サバの味噌煮、イワシのつみれ汁、焼きアジ、ブリの照り焼き、ブリ大根
魚の缶詰
サバ缶、イワシ缶、ツナ缶
ビタミンを多く含む食べ物
授乳中のお母さんは栄養を赤ちゃんに届けるために、ビタミンをしっかり補給することが大切です。
ビタミンA(免疫力を高め、皮膚や粘膜を守る)
にんじん、かぼちゃ、レバー
ビタミンB群(エネルギー代謝を助け、疲労回復に効果的)
豚肉、ナッツ類、玄米、大麦
ビタミンC(疲労回復、鉄分の吸収を助ける)
ブロッコリー、ピーマン、みかん、レモン、キウイ
ビタミンD(カルシウムの吸収を助け、骨の健康をサポート)
鮭、しいたけ、まいたけ
ビタミンE(血流を良くし、母乳の出をサポート)
アボカド、ナッツ類、オリーブオイル
避けた方がいい食べ物や注意点
母乳を通して赤ちゃんに栄養を届けるので、食べるものには気をつける必要があります。授乳中に避けた方がよい食べ物や、摂取に注意が必要なものを紹介します。
アルコール
アルコールは母乳に移行し、赤ちゃんの成長に影響を与える可能性があります。
お母さんがアルコールを飲んだ後に授乳をすると、母乳を通して赤ちゃんの体にアルコールが入ります。
ビールやワイン、日本酒、チューハイなどのアルコールは避け、ノンアルコール飲料を選びましょう。
カフェイン
カフェインも母乳に移行するため、赤ちゃんが興奮しやすくなり、寝つきが悪くなることがあります。
カフェインは、コーヒーや紅茶、緑茶、エナジードリンクに含まれています。1日1杯程度に控え、その他はカフェインレスのものを選びましょう。
脂っこい食べ物
脂質の多い食べ物は、母乳の質に影響を与え、赤ちゃんが飲みにくくなることがあります。
特にポテトやハンバーガーなどのファストフードは控えましょう。ポテトチップスやチョコレートも母乳の質が低下する原因になります。日常的な摂取は避けたほうがいいでしょう。
さいごに
母乳を作るには、タンパク質・鉄分・カルシウム・DHA・ビタミンをバランスよく摂ることが大切です。鶏肉や魚、大豆製品、レバー、乳製品、小魚、野菜、果物などを意識しましょう。
一方で、アルコール・カフェイン・脂っこい食べ物は避けましょう。バランスの良い食事で、母乳育児を無理なく続けられることがベターです。