なぜ夜に熱が上がるのか
体温は朝よりも夜の方が高い
人の体温は、時間によって変動しています。通常、一日のうちで最も体温が低いのは朝で、その後少しずつ上がっていき、夕方になると体温が最も高くなります。そのため、病気による発熱がある場合でも、朝より夜の体温の方が高くなりやすいといわれています。
完全に体が回復していない
子供は体が完全に治っていなくても、症状が軽くなると遊びたがって体を動かします。そのため日中の疲れが夜に現れ、夜になると熱が上がってくることがあります。
発熱を伴う病気
夜間に発熱しやすい病気に、インフルエンザ、マイコプラズマ肺炎、ウイルス性気管支炎、ウイルス性肺炎などがあります。これらの病気が治りきっていないと、日中は元気なのに、夜になると熱が出てきてしまうことがあります。
発熱時に自宅でできる対処法
水分と栄養を補給する
発熱すると呼気や皮膚から蒸発する水分量が増えるため、汗の量が多くなくても、体の水分が不足しやすくなります。脱水を防ぐためにも、水分をしっかり補給しましょう。汗にはナトリウムも含まれているため、ナトリウムが補給できる経口補水液やこども用イオン飲料水、スポーツドリンクなどがおすすめです。糖分が含まれているものだと、エネルギーの補給もできます。水分はこまめに少しずつ飲むことが大切です。食べられるようなら、お粥、うどん、りんごなど消化のよい食べ物を食べましょう。食べやすい、ゼリー、プリン、アイスクリームなどもおすすめです。
保冷剤などで体を冷やす
熱が上がって手足が熱くなってきたら、氷枕や保冷剤などを使って体を冷やしましょう。脇の下、足の付け根、首の両側など、太い血管のある部位を保冷剤で冷やすとよいでしょう。保冷剤を直接肌に当てると皮膚がダメージを受けてしまうので、必ずタオルやガーゼハンカチなどで包んで使用するようにしてください。冷やしすぎにも注意しましょう。
衣類や寝具で調整する
熱が上がっている最中には手足が冷えて寒気を感じるため、衣類や寝具で温めましょう。熱が上がりきると手足や体が熱くなって汗をかくため、熱がこもらないよう、衣類を薄くするなどして調整してください。汗をかいたら、体を拭いてから新しい衣類に着替えましょう。
できるだけ安静に過ごす
熱があるときには、安静にすることが大切です。子供は熱があっても元気で、いつものように遊びたがることがあります。子供に我慢をさせるのは大変ですが、早く回復するためにもできるだけ安静に過ごしましょう。絵本を読むなど、体力の消耗が少ない過ごし方を工夫してみてください。
医療機関を受診したほうがいい目安
早急に受診が必要なケース
子供が熱を出したときに、受診するべきか自宅で様子をみるべきかで迷う方が多いようです。特に、救急外来の受診となると悩むところでしょう。
次のような症状がある場合には、早急な受診が必要です。
- 生後3か月未満で38℃以上の熱が続いている
- 意識状態が悪く、呼びかけてもすぐに眠ってしまう
- 呼吸困難を起こしている
- けいれん発作を起こした
- 水分がとれずぐったりしている
- あやしても機嫌が悪く、ずっとぐずって泣きやまない
一晩様子をみて診療時間内に受診すればいいケース
子供は夜間に熱を出すことが多く保護者は慌ててしまいますが、緊急な治療が必要なければ一晩様子をみて、翌日の診療時間内に受診すれば大丈夫です。自宅で様子をみるときには、子供の変化を見逃さないようにしましょう。いざという時のために、救急外来の場所や連絡先を確認しておくと安心できます。
さいごに
子供は夜に熱が上がることが多いため、不安な夜を過ごしたことのある保護者の方も多いと思います。高熱になることも多く心配になりますが、緊急な治療が必要ないようなら一晩様子をみて、翌日の診療時間内に受診しましょう。子供の異常に早く対応できるよう、子供の様子をしっかりと観察することが大切です。子供はよく発熱するので、氷枕や保冷剤、経口補水液やゼリーなど、発熱時に必要になるものを準備しておきましょう。念のため、救急外来の場所や連絡先などを確認しておくことも大切です。